ブドウ産地テユルケムでの事件
「私こと、テユルケムの肉屋で市民たるジャン・クネシュは、本訴状によって以下のことを認めかつ通知いたします。
すなわち、ソルール郡のオルテンに店を構えるオーベルジュの主人N・Nは、過日私共よりワインを買い求めましたが、代価の一部として支払われたバター分を差し引いて、なお未払分が二五フローリンほど残っております。
約束ではこの金額がとうに支払われているところ、今日に至るまでまだ決済が成されておりません。
当方としましては支払い期限の延長には応じがたく、止むなく取立て人を立てて当該金額の入金を図ることに相成りました。
そこでこの町の市民であり、正当な取立て人でもあるミッシェル・ヘイデに代理権を委ね、私の名において未払金と取立て費用の徴収を依頼しました。
それでもなお目的を果たすまでに至らない場合、当方ではほかの法的手段を用いまして、この町内であろうと市場であろうと……、また陸上と水上とを問わず、相手方の馬や荷車、船、道具などを見つけ次第差し押え、これを売り捌いたり、私用に供したりすることができるものとする所存であります」
一五九五年、アルザスを代表するブドウ産地の一つテユルケムの肉屋リネシュは、町長宛てにこのような訴状を送っています。
はたして結果どうなったかは分からないが、この訴状のなかには、当時のワイン取引きの実情を知る上で重要な手掛りがいくつかみられますね。
最近では通販でワインを扱っているところも増えてきましたけど、こうしてお店の特徴が分かるサイトがあるととっても参考になりますね。